美しき緑走れり夏料理
これは星野立子の俳句です。
読者の頭の中には、
例えば、
茹で上がった枝豆がザルにあげった様子だったり、
冷やされた胡瓜だったり
オクラやカボチャやナスといった野菜の揚げびたしだったり
とにかく、鮮やかな緑が映える夏料理が目に浮かび、
夏の暑さを吹き飛ばすような清々しい気持ちを抱かせてくれる。
それが俳句の力。
17音なので一気に字面が頭に入る。
それなのに、五七五の順に切られた画面が浮かぶ。
力のある俳句ほど、読者の行きつく先が同じだと思っている。
誰もが同じ映像を浮かべ、そして同じ気持ちを抱く。
勘違いも誤解もない。
言葉は誤解を生じやすい。
同じ国籍であっても、同じ言語であっても、同じ職場や学校であっても、
性別や育った環境、タイミング、気分によって、ちょっとした差異が誤解を生む。
このスピード社会においては、17文字を吟味する時間もなく、
自分の思いを勘違いできないようにいろんな人に伝えたい。
だからSNSの中でもInstagramが突出しているんだろうなと思う。
どんどん便利になって場所も時間の制約もなくなっていってるのに、
時間が奪われていくのはなぜだろう。
時間を奪われぱなしで、忙しい忙しいを口癖に心を失っていくことをやめて、
「時間をかけて行う何かをみつけること」
これからを生き行く我々にはここが肝要なんじゃないだろうか。
さて、今日、あなたは何に時間をかけましたか?
何にいつもより丁寧にしましたか?