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その30秒が与えるもの

慣れ親しんだ行為であるほどに、次のことを考えながら作業をしている。

自動スイッチが入っていて、次はあれをこうやってその次にこれをして云々。

どうしてだろうと考えると、

時短の積み重ねによってできる貯金された時間を自分のために使いたい。

効率よくやった自分を褒めたい。

そんなことが浮かぶ。

 

その一方で、なんとなく「追われている自分」に気づく一瞬がある。

 あれやこれやと常に頭がフル稼働しているような

 時間に、誰かに。こき使われているような

そんな感じ。

 

無心でそのこと一つに集中する時間があると、丁寧に生活している気がする。

丁寧に生活していると、自分が中心で生きている気がする。

 

朝食の準備はあわただしい。

お湯を沸かしながら、目玉焼きを作りヨーグルトを用意し豆乳をグラスに注ぎ野菜を洗う。

ケトルがカタカタといった瞬間から、作業をやめる。

ドリッパーに粉を入れ、お湯を注ぐその30秒。

何も考えず、ただただコーヒーのことだけを考える。

そうやって淹れたコーヒーが美味しいと、美味しいコーヒーを朝から飲めたことと時間をコントロールした自分に上機嫌になれる。