
「灯火親しむ」というのは、秋の季語で、端的に言えば「読書の秋」という意味です。
個人的に言えば、
「夏を終え心が落ち着きしんみりとし、夜が長く感じる秋は本の世界に入り込めるなぁ」という意味だと理解しています。
夏を乗り越えたからこそ、しみじみと感じる秋の良さ。
秋の夜は長し。
確かにそうである。
しかし、時計に動かされている私の日常においては、夜が長かろうが、夜明けが遅かろうが関係がない。
5時がもう明るかろうがまだ暗かろうが、
17時がもう暗かろうがまだ明るかろうが、
5時には5時のやるべきことがあり、日々動くための睡眠時間の確保は最優先事項である。
珈琲と読書で夜更かしをなんてからははるか遠く、哀しいかな、情緒もロマンもない日常に追われている。
でも、秋には秋ならでは「小さいけれど確かな幸せ(村上春樹氏の小確幸だ!)」がある。
秋の大きな小確幸は、断然、寝具丸ごと洗濯である。
シーツや布団カバーに枕カバーそしてパジャマをしっかりと洗い、秋の完璧な好天でパリパリに乾かす。
布団乾燥機をかけて、掛布団たちをふわふわにする。
お風呂上りから数時間経た少し冷えた体を優しく包むふわふわの布団。
洗濯ものはスッキリと乾き太陽と洗剤の相混ざるいい香りに包まれる。
むふふむふふと布団の上で転がって、あまりの幸せに心が躍って眠れないんじゃないかと心配になる。
気を落ち着かせようと読書をしているうちに瞼が重くなり眠りの世界へと入っていく。
秋の日常の確かな幸せ。
小さいけれど確かな幸せが日常に溢れているといいですね。