ペーパードリップをする際に、ペーパーを濡らした方がいいのかそのままでいいのかという質問をお受けします。
そのままで淹れたバージョンと、ペーパーを濡らした状態から淹れたバージョンで飲み比べてみて、
味、手間、時間等々相対的にお好みの方でいいと思うのですが、
珈琲屋としてどちらがいいのかと聞かれれば、私は「濡らして下さい」とお答えしています。
写真1枚目と2枚目を比べてみてください
1枚目はペーパーをそのままセットしたもの。
2枚目はお湯で蒸らしたものです。
2枚目の方がドリッパーの溝がくっきり浮かびあがってますよね?
溝がしっかり浮き上がることで、ドリッパーとペーパーが密着しドリッパーの溝と山が上手く機能します。
そして、密着しているのでお湯が注ぎやすい!
ドリッパーにお湯を注ぐことで、ドリッパーも温められペーパーに吸着したニオイやペーパー臭と味を取ることもできます。
抽出後のペーパーの汚れ方も違います。
ペーパーをそのまま使い淹れ終わったのが写真の3枚目、ペーパーを濡らしてから淹れ終わったものが写真4枚目です。
個人的に、3枚目のコーヒーの染みがもったいなく感じます。
ペーパードリップの「ドリップ(drip)」は、日本語で滴下(滴る)と意味です。
コーヒーを淹れる際には、コーヒーがポタポタと滴るように淹れたいものです。
ふわぁぁっとドーム状の膨らむのは、炭酸ガスによるものです。
見栄えがとてもいいですが、上手に淹れられているわけではありません。
それよりも、1回目のお湯でどれだけコーヒーを蒸らせるかの方が重要です。
・初回は「蒸らし」だけでサーバー(下のガラスの容器)にほとんどコーヒーが落ちません。
・2回目以降は、ポタポタとコーヒーがおちていく。
十分に蒸らし、全体を均一に落としていく。
これが理想的ペーパードリップです。難しい。
均一にお湯を注げているかどうかは、ドームが崩れかけたときに表面に★が見えます。(写真4枚目)
★が見えたら、「やったね、天才!」と自画自賛しましょう。
おうち時間が長い今、コーヒーを丁寧に淹れてみるのもいいかもしれません。
じっくり丁寧に淹れれば、やはり味が違ってきます。
丁寧に過ごしている自分、美味しいコーヒー、ちょっと隣人に差し上げれば感謝の言葉。
あらあら、いい気持ちになれそうですね。