あの苦味はどこからくるのか(コーヒーの化学の話②)

しばらく日にちが経ってしまいました、ごめんなさい。

今日は、前回のお話の続き、コーヒーの味覚で化学的根拠がある苦味の話です。

 

「コーヒーの苦味は、カフェイン由来のものでしょう。」と思う方が多いんじゃないでしょうか。

お茶や紅茶で感じる「苦味」程度には、コーヒーの苦味に影響はあります。

でも、コーヒーってもっと苦く感じますよね?特に深煎豆とか。

「えーだって深煎りの方がカフェインが多いからでしょう?」と思いますか?

いいえ、「深煎りの方がカフェインの含有量が多い」これもよくある誤解なんです。

 

コーヒー豆は、熱を加えると膨らみます。ということは、浅煎りよりも長く熱を入れる深煎豆は浅煎豆よりも膨らみます(体積が大きい)。

必然的に計量スプーンで同じ一杯を取っても、豆の数は深煎豆の方が少なくなります。

コーヒー豆一粒に含まれるカフェイン量が同じだとしても、このコーヒー一杯に含まれるカフェインの量は、コーヒー豆の数が少なくなる分深煎りの方が少なくなります。

でも、深煎りの方が苦いのは事実。コーヒーの苦味のヒントは「豆の色」にあります。

 

 コーヒーの生豆ってどんなのかご存知でしょうか。

どうぞトップの写真をご覧ください、これは焙煎途中の豆、こんな色なんです。

生豆を焙煎するとその焙煎時間が長いほどに茶色くなっていきます。

「え、どんな食品も熱を加えると茶色になる?」

その通り!食品の焦げ(茶色)は、2種の化学反応によるものです。

一つは、タンパク質と糖類の化学反応である「メイラード反応」(パンを焼くと茶色になるとか)。

もう一つは、糖の単独反応である「カラメル化」(砂糖に熱を加えるとカラメルになるやつ)。

トーストしたパン(メイラード反応)と砂糖を焦がしたカラメル(カラメル化)を思い出してみてください。

どちらもコーヒーのような濃い茶色でないし、コーヒー同等の色まで火を入れると苦い。

でもコーヒーの苦味にはもっと旨味がありますよね?

それは、この二つの化学反応にコーヒーの生豆に含まれる「クロロゲン酸」が深く関与して「褐色色素」を生み出すから。

これがコーヒーの茶色の素です。

褐色色素は、焙煎時間(加熱時間)によって色や大きさが変化していきます。

その生産過程は複雑でまだ解明されていないのですが、それぞれに苦味物質を持っていることは確かで、しかも焙煎時間の後半に生じるものほど重厚な味わいになると言われています。

だから同じ豆の種類でも、浅煎豆と深煎豆の色も苦味も味わいも違ったものになるんですね。

 

苦味に大きく関与しているクロロゲン酸。

こいつは、これ以外(食べ過ぎの後には)にも偉大なる成分であったりします。

それは、また今度お話しますね!