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もう、頭の中にしかないもの。

町は生きている。

自然が整備され、新しい住宅地ができ、店が生まれ変わる。

そんな小さな変化も、積み重なっていくと人の流れや顔ぶれが変わり町全体が大きく変わっていきます。

町は生きているのです。

クイズ番組の画像変化のように、その場所で生活をしているとわからないかもしれません。

ふるさとを出た人が帰郷するたびに「もう自分の知らない町のようだ」という時、概ねふるさとが整備され新しい道が生まれています。

電車沿線ごとの利用者の顔ぶれが違うように、道が変わると町の雰囲気が一気に変わります。

 

私だけなのかもしれませんが、その場所に居て変化前の画は浮かんできません。

目の前のものに以前あったものが消されていくのです。

でも、その場所を離れふるさとを思う時に頭に浮かんでくるものは変化前の画なのですから不思議です。

無くなってしまった店も整備前の道もまざまざと浮かび、私の知っている変化前の町がちゃんとそこにあるのです。

 

最近よく訪れる町に奥出雲町があります。

「船通山」(センツウザン)という言葉を検索バーに入力してみると「延命水」と出てくるほどに、ここは水が美味しいことで有名です。

水が美味しいということは、作物が美味しいということ。

米・大豆・卵・肉。

まろやかで甘味がありその作物の香りと味を堪能できます。

このブログで何度も出てきているおなじみの伝統技法「たたら製鉄」や「雲州そろばん」といった唯一の伝統技術があり、それに関連する数多くの記念館や博物館や神社があります。

奥出雲は、行く度におなかと頭を満たしてくれる場所です。

私の場合、加えて目も癒されます。

山に囲まれ、堤防なき川の流れを感じ、竹の揺れる音を耳に風が頬を触れ土の匂いを感じる。

それは、今はもう頭の中にしかないふるさとの画そのものなのです。

イメージが頭から飛び出し、五感で感じることができるということは幸せ以外にありません。