
朱野帰子さんの小説は、社会問題の本質を庶民レベルで突いているのが多い。庶民レベルなので、自分のことのように感じるし手に取るようにわかる。わかりやすい。それがゆえに心の中に霧がモヤモヤと湧いてきます。教科書にも載っているような「沈黙/遠藤周作」とか辻村深月とか角田光代とかもそうで、「ヴッ小説」と個人的に分類している。
わざわざヴッとなる必要がないようにも感じるけど、新聞やニュースでみるもやッとした感情を、小説通して感じるとまた違ったものになります。体験には及ばなくとも、血が通った社会問題のように自分の中へ取り込めるのです。
さっ、コーヒー飲んで落ち着こう。コーヒーは鎮痛剤にもなっていいですね。