コーヒーの科学/効能

焙煎でコーヒーの味が決まる?焙煎で一対何が起こっているのか。

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悩んでる人
コーヒー豆の焙煎で何が変わるの?

焙煎度の違いで味が変わるのはなぜ?

この記事の内容

●大前提!焙煎失敗の原因はコレ【焙煎のコツ】

●作りたい味で選ばれる「コーヒー豆の焙煎機の違い」

●コーヒーの味を作る焙煎度によって変わる「膨化」と「化学変化」

味を作り出す「焙煎」の大前提【焙煎のコツ】

グラインドやドリップが「コーヒーの味を引き出す工程」ならば、

生豆なままめの生産や焙煎は「コーヒーの味を作り出す」工程です。

生豆は焙煎前のコーヒー豆で、グリーンビーンズと呼ばれ緑っぽい色をしています。

「コーヒーの味を作り出す」には、焙煎でコーヒー豆の水分除去を行うことが大切です。

下のような水分除去が甘い状態は、コーヒー豆本来の味を損ないます。

青臭い、刺すような酸味、メタリックな渋味、風味に乏しい…

こんな味がしたら要注意です。

【中焦げ】表面は焦げていないのに、豆の内部が焦げているもの

     ➡焙煎時間のかけすぎが原因

【生焼け】コーヒー豆の外側はしっかり焼けているのに、

     コーヒー豆中心部の水分が抜けきっていないもの

     ➡高温の熱量を急激に与えることが原因

焙煎は単純化すると

弱火でコーヒーの生豆を蒸らしで柔らくし、

中火でコーヒー豆の内部の水分を抜き、 

強火で炒り上げる

ということになります。

コーヒーの味は、コーヒーの豆の種類だけでなく、温度コントロールによって変わります。

温度コントロールは、火加減(火)と空気量(ダンパー)による熱量と時間で行います。

作りたいコーヒーの味に向けて、どのようなコーヒー豆を選び、どのように温度を上げて行くかを考えて焙煎機は選ばれています。

作りたい味によって選ばれる【焙煎機の違い】

焙煎方法の種類

焙煎方法は、3つのタイプがあります。

【直  火  式】

 ドラムにメッシュ状の穴がたくさんある

 ドラム下にある熱源がメッシュに入り込む「対流熱」ドラムからの「伝導熱」

 釜全体からの「輻射熱」で焙煎する方法

 ➡煎りムラ、香ばしさが出やすい、すっきりした後味

【半熱風式】

 ドラムに穴がなく鉄板

 ドラム下にある熱源による熱風とドラムからの伝導熱とで焙煎する方法

 ➡直火式よりキレがない。熱風式よりコクが出る

【熱  風  式】

 熱源がドラム下でなく外部にあり、熱風で焙煎する方法

 ➡直火式のようなすっきりした後味よりマイルド 

  大量焙煎可能 短時間での焼き上げが可能

加熱方法

熱源がガスや電気以外のものもあります。

【遠赤外線焙煎機】焼きムラがなく、豆にまんべんなく火が通る。

         まろやかな味でコクがある。 

【過熱蒸気焙煎機】フルーティな甘みが増す。 

【還元水素焙煎機】すっきりとキレのよい、甘味も感じられる仕上がりになる

コーヒーの味を決める【焙煎時間】

コーヒー豆の内部の水分をどのように除去するかで焙煎方法が変わります。

一気に高温で水を抜くか、じっくり水分を抜くか、水分が抜けてからの熱の与え方でも味が変わります。

【高温短時間焙煎】焙煎時間が短いと雑味が残りやすいが、

         上質なオイル分があるコーヒー豆だと風味よく仕上がる。

【低温焙煎】   

【低温短時間焙煎】スペシャリティコーヒーのニュークロップを的確に焙煎できる。

         ※ニュークロップ=収穫年のコーヒー豆

焙煎方法と焙煎時間によって作り出したい味のコーヒーを焙煎士は作っています。

コーヒーの味の決め手【焙煎度の違いによる味の変化】

悩んでる人
同じコーヒー豆でも焙煎度が違うと味も変わるのはどうして?

焙煎するとコーヒー豆の組織膨張が起こり、コーヒー成分が化学変化し苦味や香味・香気といったものに影響を与えるからです。

焙煎による変化1 コーヒー豆が大きくなる膨化

焙煎による急速な加熱でコーヒー豆は膨張します。

コーヒー豆の組織は蜂の巣状のハニカム構造になっています。

 

  ハニカム構造とコーヒーエキスの関係について知りたい方はこちらをどうぞ。

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加熱により、ハニカム構造を作る細胞の収縮と内部の成分の気化による膨張が起こります。

コーヒー豆に含まれている水分が蒸発し、この時の水蒸気の膨張力によりコーヒー豆の組織が膨らみます。これを膨化(パフィング)といいます。

パフィングによって、コーヒー豆の組織が多孔質になりひび割れができます。

このひびから水分が蒸発するために、乾燥が進み水分が浸透しやすくなります。

コーヒー豆を焙煎すると、質量は焙煎前の生豆なままめの状態の75%減、体積は1.5倍になります。

深煎り豆の方が、質量が軽く体積が大きいのはそのためです。

 

  質量と体積の違いを見たい方はこちらもどうぞ。

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焙煎による変化2 コーヒーの味を決める化学変化

悩んでる人
焙煎度合いってどれくらいあるの?

焙煎度合いは8段階に分かれています。

左→右にかけて浅煎り→深煎りになっています。深煎りになるほど焙煎時間は長くなります。

販売されているのは真ん中あたりミディアム~フルシティまでの「浅煎り」「中煎り」「深煎り」の三段階が多いです。

浅煎り以前のものはコクや香りが足りず青臭く、深煎りより深く焙煎したものはロースト感よりも焦げ感が強く出ているため飲用には向かないからです。

 

悩んでる人
焙煎によってコーヒーの味が決まるのはどうして?

焙煎によって、コーヒー豆の成分に化学反応が起きるからです。

この化学反応によって、コーヒーの苦味や香味・香気成分が決まります。

化学反応のポイント

【苦味に影響を与える変化】

 褐色色素の変化 カラメル化 クロロゲン酸の減少 

 コーヒーメラノイジンの増加 酸の熱分解

【香気・香味を変化させる化学反応】

 メイラード反応 カラメル化 クロロゲン酸の分解

長く焙煎するほど、コーヒー豆の色が濃くなります。(焙煎度8段階の画像参照)

焙煎時間が長い程、褐色色素が大きくなり褐色色素の総量も増えているからです。

褐色色素は苦味の素なので、サイズが大きくなり増量すると苦味も増します。

また一方で焙煎が進むと、生豆に含まれている糖が化学反応を起こします。

それが「メイラード反応」と「カラメル化」です。

「メイラード反応」は、糖とタンパク質が加熱した時にメラノイジンが生まれる褐色反応をいいます。

いわゆる焦げです。トーストやパンケーキなどのこんがりキツネ色になっているのがそうです。

コーヒーの場合、コーヒーメラノイジンができます。

「カラメル化」はプリンなどのカラメルソースと同じです。

苦味を決める化学変化

【褐色色素】

  しょ糖・アミノ酸。クロロゲン酸が作る

  色素の大きさと総量の割合が焙煎時間と共に大きく増えていく➡苦味が増す

【コーヒーメラノイジン】

  メイラード反応にタンパク質と多糖類が反応

    ➡100倍以上に巨大化した黒褐色色素になり苦味が増す

【カラメル化反応】

  生豆に含まれるしょ糖とクロロゲン酸が反応

    ➡甘味が減少し最終的には苦味が増す

【クロロゲン酸の減少】

  クロロゲン酸=ポリフェノールの一種

    ➡酸味が減少し、苦味が増す    

 

  クロロゲン酸には体脂肪減少やシミ対策といった働きがあります。

  もっと詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

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苦味に影響を与えた「カラメル化」や「メイラード反応」は、香味や香気にも影響を与えます。こんがりキツネ色のトーストにもカラメルソースにも、ほろ苦さと共に香ばしさや旨味を感じますよね。

香味香気を決める化学変化

【メイラード反応】
  カラメル色素とタンパク質とが反応

    ➡香ばしさと香味を生む

     コクと甘味が生まれる

【カラメル化反応】

  生豆に含まれるしょ糖とクロロゲン酸が反応

    ➡甘味が減少し最終的には苦味が増す

     揮発性の酸の香りやバニラのような甘い香り

【クロロゲン酸の分解】

        ➡「キナ酸」と「カフェ酸」に分解

キナ酸:酸味の素、甘酸っぱい香りと甘いロースト香成分

カフェ酸:リラックスの香りと血管の柔軟性を高める

    

コーヒーの成分には800種類を超える揮発性の香り成分があります。

焙煎の温度と時間によって、香味の違いがはっきり現れるからです。

また焙煎時間が長くなるにつれ、スモーク臭や刺激臭もついてきます。

焙煎士は、焙煎による加熱と時間で、コーヒー成分の化学変化をどの程度起こし、どこで止めるかを見極めることでコーヒーの味を作り出しています。

同じコーヒー豆の種類であっても、味や香味・香気・風味に違いがあるのはそのためです。

コーヒーの味は焙煎によって作り出されます。

  • この記事を書いた人

ますみ

自家焙煎珈琲の通販限定ショップを2019年よりオープンしました。 3代目の珈琲屋です。 コーヒーの選び方、淹れ方、科学/効能などなどと自身についてブログに投稿していきます。

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