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島根の魅力|奥出雲でたたら製鉄①を知る~かわりばんこに地団太を踏む~

突然ですが、皆さんは包丁の手入れってどうされていますか?

私は最近、砥石を使うようになりました。

なぜなら、包丁をステンレスから鉄製に変えたから。

 

包丁を変えるきっかけは、当店の拠点地が松江に移動することを発表したときに、お客様から「雲州幸光刃物」を教えて頂いたからです。

教えて頂くまで島根県で製鉄業が栄えていたと知らなかったんですが、これを機会に調べてみました。

 

島根県の出雲と松江の真ん中辺りにある奥出雲は、鉄の原料である良質な砂鉄が採れたことから「たたら製鉄」が盛んになった場所。

しかも、その砂鉄を採った跡地を、米(仁多米)や蕎麦(出雲蕎麦)などを生産している元祖SDGsな場所。

「たたら製鉄」??

初耳だったので「奥出雲たたらと刀剣館へ」行ってきました。

(※ここでは、炉をみることも、写真のように吹子を踏むことも、たたら製鉄ができるまでの過程を見ることも、刀をみることもできます。)

ここでその知識をお披露目したいと思います。!

 

たたら製鉄は、日本刀の原料となる堅い鋼(はがね)「玉鋼たまはがね」を生み出す日本古来の製鉄方法でした。

この製鉄方法が想像を絶するほど手間暇かかるんです。

なんと、3日3晩寝ずに操業されます。

①炉を人力で作る。(めっちゃ時間かかる)

②次に砂鉄などの原料をその炉に流し込み、3日3晩人力で吹子(ふいご)で炉に空気を送り火を燃やし続ける。

③そして炉を破壊し(せっかく作ったのに‼)溶解した鉄を取り出し冷却する。

④そこにはほんの少しの玉鋼がある。

簡単に言ってしまえば、酸化鉄(砂鉄とか)に火を入れ炭素と結合させ還元し鉄を取り出すってことです。。。

日本刀は玉鋼がないと作れません。

 

製鉄方法の名前、「たたら」ってなんじゃらほいって思いますよね?

たたらは②で出てきた炉に空気を送り込む時の「吹子ふいご」を意味しています。

吹子を踏む人を番子ばんこ(ばんこ)と呼び、交代で番子が吹子を踏むことから「かわりばんこ」と言う言葉が生まれ、

シーソーのような形の板吹子を2人係で息を合わせて激しく地に向かって吹子を踏むことから、吹子を踏む→たたらを踏む→「地団太を踏む」が生まれました。(吹子も変化し色々な種類があります)

たたら製鉄が遠い存在だったのが、意外と身近に感じませんでしたか?

こんな丁寧に生み出された鉄から作られた包丁で料理をしたら食材たちも喜ぶだろうなぁ。

そのためには、まずは均等に研げるようにならないとこの包丁を手にする資格はありませんね。

 

この拙い文章では伝えきれていませんが、何度も行っても飽きないくらいに奥出雲は魅力的な場所です。

「砂の器」を初め、数々の撮影にも使われている日本の原風景が残っています。

ただの田舎じゃない場所。

お腹を空かせて是非、足を運んでいただきたい場所です。

  • この記事を書いた人

ますみ

【三代目珈琲屋】2019年より自家焙煎珈琲の通販専門店を運営▼祖父、父が珈琲屋のため幼稚園児からコーヒーを飲み、高校時代から家業の秤屋を手伝う。▼リンクを設定される場合は、LIBRA COFFEE SHOPのリンクであることを明記して頂ければ許可は不要です。

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