コーヒーの科学/効能 焙煎

【焙煎での化学変化】同じ銘柄のコーヒー豆でもお店によって味が違う理由

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悩んでる人
同じ銘柄のコーヒー豆でも、お店や焙煎度によって違うのはなぜ?

グラインドやドリップが「コーヒーの味を引き出す工程」ならば、生豆なままめの生産や焙煎は「コーヒーの味を作り出す」工程です。

焙煎が変わればコーヒーの味も変わってきます。

どうして変わるのか見ていきましょう!

コーヒー豆の味を損なう焙煎

中焦げ・生焼けとは

「コーヒーの味を作り出す」には、焙煎でコーヒー豆の水分除去を行うことが大切です。

水分除去が甘い状態は、コーヒー豆本来の味を損ないます。

青臭い、刺すような酸味、メタリックな渋味、風味に乏しい…

こんな味がしたら要注意です。

【中焦げ】

表面は焦げていないのに、豆の内部が焦げているもの

→焙煎時間のかけすぎが原因

【生焼け】

コーヒー豆の外側はしっかり焼けているのに、中心部の水分が抜けきっていないもの

→高温の熱量を急激に与えることが原因

 

コーヒーの味を決めるモノ

焙煎が「コーヒーの味を作り出している」理由は、焙煎によってコーヒー豆に化学変化が起こっているからです。この化学変化によって、コーヒーの芳香や苦味、香味などが変わっていきます。

具体的に見てみましょう!

コーヒーの香りの決めるモノ

焙煎による急速な加熱でコーヒー豆は膨張します。これをパフィングといいます。

 

 パフィングについてもっと知りたい方はこちらをどうぞ

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パフィングによってコーヒー豆に含まれる水分が蒸発した段階で、コーヒー豆の内部では発熱反応が起こっています。

この発熱反応の時に芳香成分が作られる化学変化が起きています。(後で詳しく説明します。)

パフィングによって多孔質になったコーヒー豆は、この発熱反応で生まれた芳香成分を吸収します。

そのコーヒー豆がいい香りなのは、豆にしっかり火が入り多孔質になることで芳香成分を吸収しているからです。

先程の中焦げや・生焼けが生じていると、ここで芳香成分が吸収できません。

コーヒーの苦味を決めるモノ

悩んでる人
コーヒーが苦いのは、深く焙煎しているからでしょ?

焙煎による「焦げ」で苦味が感じられるというのは、半分だけ正解です。

コーヒーならではの美味しい苦味は、コーヒー豆の化学変化によるものです。

苦味を与える化学変化

 ・褐色色素の変化 

 ・メイラード反応によるコーヒーメラノイジンの増加 

 ・カラメル化 

 ・クロロゲン酸の減少 

悩んでる人
聞いたことがないワードばかり…

具体的に見てみましょう。

褐色色素の増加

褐色色素は、コーヒー豆の茶色を作っている色素です。

焙煎時間が長い深煎り豆ほど、色が濃くなっているのはこの色素によるものです。

焙煎時間が経過するほど、この褐色色素は大きくなりまた総量も増えていくためこげ茶や黒に近い茶色へとなっていきます。

この褐色色素は苦味の素なので、サイズが大きくなり増量すると苦味も増します

糖の化学変化~メイラード反応とカラメル化~

また一方で焙煎が進むと、生豆なままめに含まれている糖が化学反応を起こします。

それが「メイラード反応」と「カラメル化」です。

メイラード反応」は、糖とタンパク質が加熱した時にメラノイジンが生まれる褐色反応をいいます。

コーヒーの場合、コーヒーメラノイジンという100倍以上に巨大化した黒褐色色素になります。

メイラード反応と聞くと小難しく感じますが、いわゆる「焦げ」です。例えば、トーストやパンケーキなどのこんがりキツネ色になっているもメイラード反応によるものです。

カラメル化」は砂糖を煮詰めて作るプリンなどのカラメルソースと同じです。

糖によるこの二つの変化は苦味とともに、後述する香味成分の増加にも関わってきます。

酸の増加と熱分解

コーヒー豆は多くの成分で成り立っています。

その一つにコーヒーの品質を表す成分としてポリフェノールの一種である「クロロゲン酸」があります。

 

 クロロゲン酸には体脂肪減少やシミ対策といった働きがあります。

  もっと詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

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クロロゲン酸は生豆の状態で5~10%含まれているのですが、熱に弱く焙煎過程で分解され減っていきます。

クロロゲン酸は酸の一種で酸味の素になります。クロロゲン酸が減少すると、酸味が減り苦味が増していきます

コーヒーの香味を決めるモノ

パフィングで吸収される芳香成分は、どうやってできているのでしょうか?

香味を与える化学変化

 ・メイラード反応 

 ・カラメル化

 ・クロロゲン酸の分解

メイラード反応とカラメル化は先程、出てきましたね。

メイラード反応では香ばしさとコクと甘味が増します。

カラメル化では甘味が減少しほろ苦さが増す一方で、バニラのような甘い香りがします。

こんがりキツネ色になったトーストもカラメルソースも、ほろ苦さと香ばしさを感じますよね。

クロロゲン酸は熱に弱く、加熱によりキナ酸とカフェ酸に分解されます。

キナ酸は酸味の素ですが、甘酸っぱい香りとロースト香の成分です。

カフェ酸が持つ香りにはリラックス効果があると言われています。

まとめ

コーヒーの成分には800種類を超える揮発性の香り成分があります。

焙煎の温度と時間によって、香味の違いがはっきり現れています。

また焙煎時間が長くなるにつれ、スモーク臭や刺激臭もついてきます。

焙煎士は、焙煎による加熱と時間でコーヒーの味を作り出しています。

同じ銘柄でも味が違うのは、焙煎士によるコントロールの成果でもあります。

焙煎による化学変化で作りだされた芳香成分がしっかり吸収できるように焙煎されたコーヒー豆を選びたいですね。

2022.06.09更新

  • この記事を書いた人

ますみ

【三代目珈琲屋】2019年より自家焙煎珈琲の通販専門店を運営▼祖父、父が珈琲屋のため幼稚園児からコーヒーを飲み、高校時代から家業の秤屋を手伝う。▼リンクを設定される場合は、LIBRA COFFEE SHOPのリンクであることを明記して頂ければ許可は不要です。

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