
この記事の内容
・酸味のないコーヒーはあるの?(酸味がある理由)
・酸味が少ないコーヒーの選び方・淹れ方
目次
コーヒーの酸味の正体
コーヒーはフルーツ?
コーヒーを飲んで「この酸っぱい感じ苦手だな」と思うその酸っぱさはコーヒーの本当の酸味ではないかもしれません。

コーヒーの酸味には2種類あります。
一つは、コーヒー豆が本来持つ酸味です。
コーヒーは、コーヒーチェリーという実を精製し焙煎したものです。
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酸味がないフルーツが無いように、酸味のないコーヒーもありません。
果実には、リンゴ酸やクエン酸といった酸が含まれているからです。
こういった美味しい酸は「Acidty」と呼ばれています。
爽やかな風味とすっきりした味わいがあって、冷めても美味しいコーヒーです。
「良質なコーヒーには酸味がある」と言われています。
酸味のあるコーヒーは爽やかで甘く華やかな香りがあり、その酸味は美味しさの素として認識されているのです。
コーヒーの劣化

もう一つは、コーヒーの劣化によるものです。
【ステイリング】
水分と反応しpHが低下して酸っぱくなること
➡コーヒー豆の酸性化
※pHとは水素イオン濃度のことで、この数値が低いほど酸性が強くなります。
(pHが高いものはアルカリ性で果物や海藻などがあります。)
【酸敗】
焙煎豆に含まれる油脂の空気酸化で生成する低脂肪酸によるpHの低下によるもの
➡コーヒー豆に含まれる油の酸化
焙煎後、数週間経つとステイリングが始まり数ヶ月経ったコーヒー豆には酸敗が見られます。煮詰まったコーヒーや中途半端に焙煎したコーヒーに見受けられます。
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ガラス容器に常温で保存していると、ガラスの内側に水のようなものが付くことがあります。
それは焙煎したコーヒー豆にある油脂が酸化したもので、酸敗の証でもあります。
また、コーヒーを淹れてから加熱式サーバーや魔法瓶でなどに入れて数時間後に飲んでも酸化が進みます。
こういったコーヒーの劣化による酸味は「Sour」と呼ばれてます。
ツーンと舌を刺すような酸味と油が傷んだような不快で嫌な臭いがします。
ポイント
【Acidity】=美味しい酸味=コーヒー豆本来の酸味
【Sour】 =嫌な酸味=焙煎から数週間以降経過したコーヒー豆
淹れてから加熱容器に入れ時間が経ったコーヒー
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酸味の弱いコーヒーが欲しい
酸味が苦手な方へのオススメ
コーヒーの味は酸味と苦味のバランスによって変わってきます。
コーヒー豆が持つ酸味が苦手な方は、「酸味が弱いコーヒー」言い換えるなら「苦味が強いコーヒー」がオススメです。

酸味が苦手な方へのポイント
・焙煎度➡深煎り フルシティ
・コーヒー豆➡マンデリン、ベトナム、深煎りのブレンドなど
・ドリップのポイント!➡細かく挽く、硬水、熱めのお湯で淹れる
深煎りだと苦い

同じコーヒー豆でも、焙煎度合いによって味が変わります。
焙煎は、コーヒー豆の加工をしていることになります。
コーヒー豆を加熱することによって、コーヒー豆の中の水分が蒸発し、コーヒー豆の成分が化学反応を起こしていきます。
こういった化学反応が苦味の要素になっています。
・カラメル化
・メイラード反応
・コーヒーメラノイジン
・褐色色素の誕生
焙煎度や焙煎中の化学変化についてもっと知りたい方はこちらをどうぞ。
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ドリップのコツ

酸味を抑えるドリップのポイント
【挽き目】細かく挽く
【水】硬水
【湯温】熱い湯(沸騰したてのお湯を使う)
【スピード】ゆっくりと時間をかけて淹れる

ドリップの方法でどうしていいのかわからなくなったら、エスプレッソはどんな風に淹れてるのか思い出すと淹れ方が悩まないかもしれません。

酸味を抑えるドリップのポイントを押さえて淹れると味は変わります。
味を変えるハンドドリップについて知りたい方はこちらをどうぞ。
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コーヒーを淹れる人で味が変わるのは、人によってタイミングが違いそれが味に反映されるからです。

一般的に軟水の方がドリップには向いているのですが、深煎りの場合に「硬水」を使うこと、水の硬さとコーヒーの苦味が相まって苦味のしっかりしたコーヒーになりやすいです。
【軟水】ミネラル量が少ない➡飲みやすい
【硬水】ミネラル量が多い➡重さや硬さを感じやすい
【酸味が苦手な方へ】まとめ
酸味には、美味しい「Acidity」と嫌な「Sour」の2種類があります。
コーヒー豆が持つ本来の酸味が苦手な方は、「深煎り」「東南アジア産」といったコーヒーを選び、苦味が出るようにドリップするとお好みの味に出会えるかもしれません。
美味しい酸味のコーヒー豆にはいい香りのコーヒーが多いです。
浅煎りやモカ・キリマンジャロ・ケニアといった酸味のある銘柄のコーヒーを、敢えて苦味が出やすいようにドリップしてあげることで飲みやすくなるかもしれません。
ご自身のお好みに合うコーヒーが見つかりますように。