酸味が苦手な方へのコーヒーの選び方
焙煎度

酸味が苦手な方は「深煎り豆」を是非選んでください。

同じ銘柄のコーヒー豆でも、焙煎度によって風味が変わってきます。
焙煎度による風味の特徴は下のようになります。
【浅煎り】さわやかな酸味と香りが楽しめる酸味系
【中煎り】ほろ苦さと甘味が楽しめるバランス系
【深煎り】苦味とコク・ロースト感が楽しめる苦味系

はい、変わります。
例えば、コロンビアの浅煎りではフルーティさと甘味が楽しめますが、深煎りにするとコクとほど苦さを強く感じます。
コーヒーの味覚は、酸味と苦味のバランスによります。
焙煎時間が長い深煎り豆は、浅煎り豆と比べると酸味が減少します。
それは、焙煎時によるコーヒー豆の化学変化によるものです。
焙煎で酸味より苦味が出る理由を知りたい方はこちらをどうぞ
-
【焙煎での化学変化】同じ銘柄のコーヒー豆でもお店によって味が違う理由
続きを見る
コーヒー豆の選び方

オススメは、苦味に特徴を出したブレンドコーヒーです。
当店ですと、こっくりブレンドがオススメになります。

専門家が「苦味」を重視して作り上げた味なので、苦味とコクが楽しめます。
ブレンドはいろいろなコーヒー豆が混ざり合ったものなので、配合されている豆の様々な特性を楽しめることができます。
プロが目利きし苦味が強く出るよう工夫しているうえに、コーヒー豆のマリアージュとコクが楽しめるのでブレンドは飽きにくいです。

マンデリンやトラジャといった東南アジア産のコーヒー豆がオススメです。
中南米のコロンビアやブラジルといったバランス系のコーヒー豆の深煎りも苦味が楽しめます。
ドリップのポイント

あります!
酸味を抑えるドリップでコーヒーを淹れてみてください。
酸味を抑えるドリップのポイント
【挽き目】細かく挽く
【水】硬水
【湯温】熱い湯(沸騰したてのお湯)
【スピード】ゆっくりと時間をかける

細挽きは上白糖とグラニュー糖の間くらいの大きさです。

一般的に軟水の方がドリップには向いてますが、深煎りの場合に「硬水」を使うとよりしっかりしたコーヒーになりやすいです。
【軟水】ミネラル量が少ない→飲みやすい
【硬水】ミネラル量が多い→重さや硬さを感じやすい
味を変えるハンドドリップについて詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
-
買ってきたコーヒーがなんか違う…【ドリップでコーヒーの風味を変える方法】
続きを見る
酸味の正体
日本では酸味が苦手な人が多いけれど、北欧やアメリカのサードウェーブでは酸味が人気です。
「良質なコーヒーには酸味がある」として認識されています。
例えば「モカ」「マタリ」「キリマンジャロ」といったコーヒーは、酸味が特徴的で爽やかで甘く華やかな香りが楽しめます。
こういった銘柄がお好きな方は、酸味のあるコーヒーがお好きである可能性が高いです。

その酸っぱいは、コーヒー豆の酸味でしょうか?
コーヒーの味の決め手である、コーヒーの酸味にはコーヒー豆が持つ本来の酸味ともう一つの酸味があります。
本来の酸味、acidity
コーヒーは、コーヒーチェリーという実を精製し焙煎したものです。
コーヒーチェリーからコーヒーになるまでを知りたい方はこちらをどうぞ。
-
【コーヒーの精製方法】ナチュラル、ウォッシュド、スマトラ式って何が違うの?
続きを見る
酸味がないフルーツが無いように、酸味のないコーヒーもありません。
果実には、リンゴ酸やクエン酸といった酸が含まれているからです。
こういった美味しい酸は「acidity」と呼ばれています。
爽やかな風味とすっきりした味わいがあって、冷めても美味しいコーヒーです。
これらのコーヒー豆の酸味は美味しさの素として認識されています。
酸味の思い違いは他にもあります。
-
【酸味の思い違いかも】ミルク入れてませんか?実は酸味のあるコーヒーが好き
続きを見る
もう一つの酸味、sour

それがもう一つの酸味、いえ、劣化による傷みです。
加熱式サーバーや魔法瓶でなどに入れて数時間後に飲んだ時に感じる酸味がそうです。
こういったコーヒーの劣化による酸味は「sour」と呼ばれてます。
ツーンと舌を刺すような酸味と油が傷んだような不快で嫌な臭いがします。
酸味の種類
【Acidity】=美味しい酸味=コーヒー豆本来の酸味
【Sour】 =嫌な酸味
=焙煎から数週間経過したコーヒー豆、
=淹れてから加熱容器に入れ時間が経ったコーヒー
持ち歩きのコーヒーが酸っぱいと思われた方、こちらもどうぞ。
-
水筒のコーヒーがマズい!【持ち歩きコーヒーを美味しくするコツ】
続きを見る
傷みによる酸化には、水によるものと空気によるものと2種類あります。
傷みの酸味の種類
【ステイリング】
水分と反応しpHが低下して酸っぱくなること
→コーヒー豆の酸性化
※pHとは水素イオン濃度のことで、この数値が低いほど酸性が強くなります。
【酸敗】
焙煎豆に含まれる油脂の空気酸化で生成する低脂肪酸によるpHの低下
→コーヒー豆に含まれる油の酸化
焙煎後数週間経つとステイリングが、数ヶ月経ったコーヒー豆には酸敗が見られます。
ガラス容器で常温保存していると、ガラスの内側に水のようなものが付きます。
それは焙煎したコーヒー豆の油脂が酸化したもので、酸敗の証です。
コーヒーの劣化を遅らせる保存方法を知りたい方はこちらをどうぞ
-
1か月持ちます!詰め替え不要【コーヒー豆(粉)最適な保存場所と保存容器】
続きを見る
焙煎士の腕
焙煎によってコーヒー豆の水分除去を行うことで、コーヒーの味は作り出されています。
しかし、この水分除去が甘いと青臭く、刺すような酸味が引き出されてしまいます。
コーヒー豆の色が濃いから中の芯まで火が入っている、十分に水分除去が行われているかというと、必ずしもそうとは言えません。
色ばかりが付いて水分が抜け切れてないものもあるからです。
水分除去がされたコーヒー豆は、よく膨らんでいる豆になっています。
NGな焙煎を知りたい方は「焙煎での化学変化」をお読みください
-
【焙煎での化学変化】同じ銘柄のコーヒー豆でもお店によって味が違う理由
続きを見る
【酸味が苦手な方へ】まとめ
酸味の少ないコーヒーにするポイントは以下のようになります。
酸味の少ないコーヒーのポイント
【焙煎】新鮮でふっくらと膨らんだ豆を選ぶ
【焙煎度】深煎り(フルシティ~フレンチ、イタリアンロースト)
【銘柄】おすすめは深煎りのブレンド
マンデリン、トラジャ、ベトナムなどのアジア産、コロンビア、ブラジル
【ドリップのポイント】細かく挽く、硬水、熱めのお湯で淹れる
美味しい酸味のコーヒー豆にはいい香りのコーヒーが多いです。
浅煎りやモカ・キリマンジャロ・ケニアといった酸味のある銘柄のコーヒーを、敢えて苦味が出やすいようにドリップしてあげることで飲みやすくなるかもしれません。(2022.07.14更新)